ドイツ研修報告会 & 東日本大震災から 15 年を考える会が開催されました。(2月23日)

ドイツ研修報告会 & 東日本大震災から 15 年を考える会
開催日:2026 年 2 月 23 日(月)14:00〜 増田公民館にて
※ドイツ研修は 2025 年 10 月 14 日〜28 日に実施
■ 代表あいさつ(須永 力・ぶんちゃ)
プレーリーダー歴 35 年。日本で初めての常設プレーパークで活動を始め、阪神・淡路大震
災、東日本大震災では被災地で子どもの遊びによる支援に携わってきました。
震災関連の補助金が来年度大幅縮小される見込みで、全国の子ども支援団体が厳しい状況
にあることも共有されました。
「子どもの遊び場を続けていくために、これからも力を合わせていきたい」という思いが
込められたあいさつで会が始まりました。
■ 中山涼さん(一般社団法人八王子冒険遊び場の会・りょうちゃん)
りょうちゃんは、ドイツの子ども・若者支援の仕組みについて、法律の枠組みから現場の
体制、そして専門職の育成まで、全体を見渡せるように分かりやすく話してくれました。
ドイツでは「SGB VIII(社会法典第 8 編)」に基づき、子どもを“守られる存在”ではなく
“権利をもつ主体”として位置づけ、自治体が育ちを支える責任を担います。
子どもの意見をきちんと聴くことや、安心して過ごせる場を保障することが法律に明記さ
れ、行政・学校・地域が連携する体制が整っています。
現場では、子どもが自分の意見を伝え、大人が丁寧に受け止める姿勢が印象的だったそう
です。制度と実践がつながり、子どもを“社会の一員”として扱う文化が根づいていること
が伝わってきました。
同行したイヴァンさんの
「子どもは、話を聴いてもらえることで、社会の一員として認められたと感じる」
という言葉も紹介されました。
■ 廣川紘子さん(一般社団法人プレーワーカーズ・ぴろこ)
ぴろこさんは、ビーレフェルトの冒険遊び場で見えてきた「自分の世界をつくる」という
テーマについて、現場の様子を交えながら話してくれました。
子どもたちは半年かけて秘密基地をつくり、釘が飛び出した木材や未処理の板がそのまま
残っていることに会場から驚きの声が上がりました。危険な場所は色分けされ、子ども自
身が判断しながら遊べる工夫がされているそうです。
壁や遊具には子どもの権利に関する言葉が掲示され、権利を“教わる”のではなく“日常の中
で感じる”環境が整っていました。
ドイツでは「教育の中に遊びがある」のに対し、日本では「遊びと教育は別物」という考
えが根強いことも共有されました。
一方、日本のプレーパークは地域に開かれ、誰でも参加できる柔軟さが強みであることも
再確認されました。
■ 斎藤信三さん(冒険あそび場・せんだい・みやぎネットワーク しんぞー)
震災当時の子どもたちの姿が、しんぞーさんのやわらかいタッチの漫画を見ながら語られ
ました。つらい出来事が描かれていても、絵の温度が読み手の心をそっと守ってくれま
す。
被災地で遊び場で、帰りたくない子に「明日もあるよ」と声をかけると、「本当に? 明日
もあるの? 絶対?」と不安そうに聞き返してきたこと。
大きな子に「うるさい!」と怒っていた小さな子が、別の日には手作りブランコで大笑い
していたこと。
3 月 11 日生まれの子が「家もプレゼントも全部流された。でも後から見つかったんだよ
ね」と突然話し始め、スタッフは何も言えなかったが「この子が話したかったタイミング
だったんだ」とそのままを受け止めたこと。
「落ち着いたら遊び場がなくなるのでは」と怯え、「もう一度津波が来たらいいのに」と
言った子に「続けるつもりだよ?」と伝えると、「じゃあ津波は来ない方がいいや」と返
してきたこと。
2015 年 3 月 11 日、「今日は悲しい日なのに遊び場やるの?」と聞いた子に、「悲しいばか
りじゃいやな子もいるかと思って」と答えた後、その子たちは強風の中、中学生と大笑い
して遊んで過ごしていたこと。
どのエピソードにも、子どもたちの不安や希望がそのまま表れていて、遊びが心を支え、
前へ進む力になっていたことが伝わってきました。大人も、自分が子どものころに遊んだ
話をすると、いきいきとするので、話を聴いたりしながら地域のつながりを作っていった
とお話していました。
■ まとめ
国や文化の違い、震災の経験など、さまざまな視点から「遊びが人を支える力」が語られ
ました。
どの話にも共通していたのは、遊び場がそこにあり続けることが、子どもたちの安心につ
ながるということでした。
児童館、子ども食堂、地域の居場所づくりをしているみなさんと同じ時間を共有できたこ
とも心強く感じました。これからも、悩みながら共に続けていけたらいいなと思います。
(文・上田亜沙美)

